構造主義（ジャン・ピアジュ著）

　本書は白水社文庫クセジュ1970年初版のもの。

　「いまさら構造主義も無いのじゃない？」という方もあろうが、本書もご他聞にもれず、今なら安く手に入る（それほど、思想の世界はマイナーなのかもしれない）。
　さて、「構造主義とは何か」という定義は難しいと思うし、定義する人によって細かい部分の差異があることだろう。
　私としては、本書の説明が一番良かった。

　そして、構造主義はある自然科学的アプローチの方法であり、哲学・思想にも応用はできるし、一時的に、流行り廃りするものではない･･･ということがわかった。
　ある問題に対して、現在も構造主義的なアプローチは可能であるのだ。
　そして、場合によっては強力な解決手段になるかもしれない。
　そして、その限界についても本書では良く捕らえられている。

　（遅まきながら）構造主義を知るのには、丁度良い本だったかと思う。