110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

虜人日記(小松真一著)

 本書は1975年筑摩書房刊行のもの、私は、ちくま学芸文庫版で読む。

 本書は、山本七平氏の「日本はなぜ敗れるのか」のベースとなった本であり、第二次世界大戦終戦直前のフィリピンに、民間人として(実際、表面的には技術職として将校待遇だが)見た、その体験の記録である。
 確かに、その状況で日記をつけること自体が、驚異的な精神力(巻末にある、山本七平氏の「『虜人日記』のもつ意味とは」では、それを「思想」であるとしている)の下に行われたのであろう。

 さて、本書については、ここまでにしよう、後は、興味のある方は手にとって読んでみることをお勧めする。
 そこには、第二次世界大戦に敗れた日本の姿がある。
 しかし、それ以上の「何か」があるように思えるのだ。

 これは、名著と認めざるを得ない。