110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

生命科学の先駆者(篠原兵庫著)

 本書は講談社学術文庫版1983年版、興味のある方は探してみて欲しい。
 この時期は、既に既刊の書籍の文庫化ではなく、全くオリジナルな企画で出版したりしていることがある、本書もそのうちの1つのようだ。

 さて、本書は、生命科学に貢献した、3人(ポプキンス、ワールブルク、サムナー)の功績について記述するとともに、その性格を精神分析的な手法で考察すると言うものだ。
 例えば、ポプキンスは本人も優れた科学者で有るとともに、その弟子たちも数多くの優れた仕事を残している、その原因には、ポプキンスの持つ「メランコリー親和性」という性質があるのではないか・・・その様な分析をしているのだ。
 そういえば、天才、そして世の中に重要な仕事・業績を残した人々の精神分析をするというのは、様々な人が取り組んでいる、しかし、本書のような生命科学の、偉人に対して行うというのは珍しい。
 その精神(性格)分析的なところを除いて、彼らの業績を知るだけで、少し、得した気持ちになるのだ。

 まぁ、忙しい人にはお勧めしない・・・あくまで、多少回り道しながら読書する人向きだな・・・これは。