110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

内面への亡命(R.ジャガール著)

 本書は1980年誠信書房刊行のもの。

 この著作が刊行された頃から、社会が分裂症的な状況であるとよく言われるようになった(最近聞かなくなったが?)、精神分裂症ならば、世界崩壊のイメージがあったので、私的にはイメージしずらかったのだが、本書を読んで多少理解できた。
 即ち、ある種の個人主義、他者の存在や他者からのアプローチを回避し、自分の「内面へ亡命」する人の事らしい。
 それなら、私がぴったりだ、読書に埋没したり、歩きに没頭して人ごみを避けたり、これは典型だ。
 しかし、その私が「この人はなんだろうと」思うぐらい、自分しか見ていない人も見受けられる。
 これは、仲間が増えたのだと・・・喜べ・・・ない。
 そう、こういう輩は、連帯意識はないのだ。
 
 まぁ、それはそれで良いだろう・・・自分もその中の一人として諦めよう。

 そして、この傾向は、(歴史的に)トイレが個別になり、風呂が共同で無くなり、子どもの勉強部屋が個室になり、夫婦が別室になり・・・という具合に進化してきたようだ。
 そんなことを考えていたら、思い浮かんだ、それぞれが、個別化すると、消費が増えるなぁ。
 それぞれの部屋ごとに、TV、PC、携帯・・・・と数え上げると、本書の指摘の様に、社会は、人間の「分裂病質」化(=>消費文化化)を望んでいるのだ。

 そんなわけで、オバマ氏が、シルクハットを3回叩くと(アメリカのインフレ政策により、特に金融)景気が回復すると言う、そのマジックが失敗しないことを、祈ろうではないか。
 
 なんか、虚しいな。