110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

人種と歴史(クロード・レヴィ=ストロース著)

 本書はみすず書房刊行のもの(1970年初版)。

 本書は1952年にユネスコが企画した「世界の人種主義問題に関する小冊子」のシリーズのうちの一冊。 
 今更、構造主義はねぇ・・・・といってもまだ利用できる分野はありそうだと思った。
 著者は、過信はしていないのだ。

 そして、人類の発展=エネルギー消費量の増大(これはエントロピーの減少かな)には、文化的な差異が必要だとする。
 しかし、その差異は、文化間の交流により減少、類似化していく。
 そうすると、差異が維持できなくて、文化の停滞が起こる。
 なるほど、だから、中国やインドが成長してくるわけだ・・・・素晴らしい展開だ。

 そういう意味では、日本は、差異の要素が(相対的に)低下している、すなわち足踏み(相対的には位置の低下)が発生しているのだろう。
 さて、どうするか。
 ここで常識的な発想の提起では、(多分)差異を作り出せないのだろうから、こうなれば飛躍するしかないのでは無いのかな?
 
 山本夏彦翁の「知恵」を借りれば、「一度中国人になってみる」と良いのではないか?
 まぁ、本案は、真面目に取り合ってはもらえないだろうけれども。