110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

板橋七福神めぐり

 「板橋七福神めぐり」というのがあるのですよ。
 昨日、散歩していたら、そのコースの途中に「安養院(弁財天)」があったので、偶然知ったわけです。
 詳細は、板橋区のホームページなどをご覧くださいませ。
 http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/003/003875.html

 この催しは、元旦~1月7日(すなわち今日)までです。
 以前は、1月15日までやっていたらしいのですが、これも時代の流れというやつでしょうか?
 坂東や秩父の札所巡りも、御朱印をいただくにしても、300円とか、今回の七福神では200円という価格ですので、開催する各お寺さんでは(日本風に)期間限定サービスのようなものでしょう。
 ちなみに、このコースは、今まで散歩で歩いてきたコースに非常に近いところを歩くことになり、新しい発見が出来ました。
 ちなみに、地図をもらったのですが、うまく読み取れなかったので、随分回り道をしてしまいました。
 
 さて、最後のお寺で、この七福神めぐりについてのこんなコラムをいただきました。
【板橋七福神
 サンシャインビルが高々とそびえたつ下、東京の高速道路五号線は、そこでぐいと東に曲がる。その曲がり角が北池袋ランプ、俗にいう熊野神社前だ。今日も、そこはクルマ・クルマ・クルマの列。いや全く変わったなァと、浦島太郎のようなつぶやきも出そうな。とにかく交差点のまん中辺りだった。
 「エエ、そこに住んでましてネ。とにかく名人級でしたネ。腕も気むずかしさも。気に入らないと、コッパ(木片)を口にくわえたなり、誰がなんといおうと返事もしないでホリモノザンマイ(彫物三昧)でしたヨ。当時はその仕事をマチボリシ(町彫師)っていったものです。」
 語るのは、池袋駅東口前に、戦後衣料品店の「キンカ堂」を始めて三十一年目、今はその会長さんとして、毎日毎日陣頭指揮に明け暮れ、各支店や関連産業に、年商六百億円の実績を誇る野萩康雄さん(七七)だ。
 さて、そのマチボリシとは、田中金太郎さん(昭和三十九年七七歳で歿)のこと。通称を「彫金」といって、野萩さんにとっては義理の父に当たり、当時は一緒に住んでいた。芸術いちずの彫刻家に対して、巷の仕事をするのが、マチボリシだがこの金太郎さん、石川政房の名で、神社やお寺の彫り物を中心にノミをふるっていた。寅さん映画で名高い柴又の帝釈天、結婚式場の目黒雅叙園、そして所沢の、板橋の、東村山の寺寺。欄間や仏像の逸品が次々に生み出されていく。
 もともと父親も設計師だった金太郎さんは、職人肌・名人気質の人。昔の歌に「あるじは名高き一刻者」(村のかじや)と歌われたような、そんな人だった。第一、酒の飲み方が変わっている。ビールは朝、センを抜いて、夕方までキを抜いておく。そして晩シャクにコップに半分ぐらい。残りは二日も三日もかけて飲む、といった具合。下戸というだけではない、何かメズラシサがありますナ。
 ところが、その金太郎さん、ネがまっすぐな人だけに、信仰心も人一倍だった。ショウゴク(正月・五月・九月・昔からわざわいをはらうため神仏に参詣するならわし)には、いつも成田山まいりを欠かさない。だからあの関東大震災(大正十二年九月)にも成田山で出会うことになった。
 そして、やがてこの金太郎さんの一念発起が七福神の名作を生み出す。時は昭和十一年一月。
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   なかなか、味のある話が続きますが、興味のある方は、一度お足を運ばれると、このチラシをいただけるやもしれません。