110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

民主党が日本経済を破壊する(与謝野馨著)

 本書は文春新書2010年1月刊行のもの。

 参議院選前に読めればよかったのだが、奇しくも、最近手に入った古本である。

 現在は「立ち上がれ日本」に所属する著者だが、自民党内では政治通、経済通として一目おかれていた。
 その政治に対する考えが記されたのが本書であり、結論的には、穏健な経済成長を維持しながら財政再建するという手法のようだ。
 本書内で指摘している、「小泉-竹中路線」は小さい政府を目指したとするが、著者はそれには批判的だ。
 すなわち「みんなの党」とは違う考え方である。

 私的には、著者が与党時代にいち早く「消費税上げ」を表明したことを評価している、ある程度の大きい規模の政府を維持するには、財源としての消費税上げは必死であろう。
 そして、また、現在の日本の状況の難しさを再確認させられた。
 現在、どのような政府の規模を主張しても、現在の国の債務を返済するための前提条件は、経済の成長にある。
 その論議が埋もれている場合は、具体的な先行きを、われわれ(私かな)が感じ取ることは難しい。

 国の経済が成長できないならば(仮定)、消費税などの税収を上げる政策しかないように思える。
 そうすると、国の経済成長とは如何に?

 大前研一氏は自身のコラムで、すぐにも財政に対する対策を打てと敬称を鳴らしているのだが・・・。