110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ドルと円(ロナルド・マッキノン、大野健一著)

 本書は日本経済新聞社1996年刊行のもの。

 日本は景気が悪いのに円高なんだよね、不思議だなぁ?
 そんな疑問を持っていたので、為替に関する本書を読んでみた、当然1996年(当時)までの考察なので現在とは少し趣が違うとは思うのだが・・・・。

 さて、本書を詳細に理解する残念ながら知識は無いが、ひとつ読みながら考えた(感じた)ことは、日本という国が円高(対ドル)の圧力を受けながら存在していることだ。
 そして、例えば現在のドルに対するレートは86円であり、多少のもみ合いはありつつも傾向としては(円高傾向が)続いているようにも思う(当然、素人考えだが)。
 為替の影響だけではないが、当時、日本の主力産業であった製造業において、様々な企業が国内からの脱出(空洞化)し、それが年月を掛けて熟成され、ついには、製造(部門)は、中国などに完全にシフトしてしまったのが現状ではないのか?
 そういう面で、足かせを受けて数十年持ちこたえている、日本という国の努力は凄まじいものと言う外ないだろう(全部が全部とはいえないけれども)。
 そんな堅牢な国も、やはり老いるのだ、本書を読んでいても、何故か日本だけが、アメリカや欧州の数値と乖離している(特異な)ケースが出てくる。
 その変則技は負担が大きいことだろう、それは、現在財政赤字という形に顕在化しているのではないだろうか。

 国を生物(人間)として比喩化するのは、不当なのかもしれない。
 しかし、老いることはあると思うのだ、昔のように無茶はできない、早く、健全化することが肝要だろう。

 さて、今世紀について、本書の様な書籍が無いか探してみよう。
 ちなみにFXなどの本はどういうことが書かれているのかな?