110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

民の見えざる手(大前研一著)

 本書は2010年小学館刊行のもの。

 著者の日本語題名はひどいのが多いと思うのだが、本書はそのままであった、アダムスミスに引っ掛けたのだろうか?

 さて、日本をどうするという議論で、著者は、政府部門の縮小と、民間部門の活性化を上げている。 
 普段からこの著者のコラムを愛好して読んでいる方としては、本書の内容に違和感が無い。
 (ちなみに、日本が歴史的に賑わったなと、私的に思うのは、江戸・・・元禄時代や、戦後の高度経済成長期などの、相対的にお役所が弱く、民衆がつよかった時期だと思うのだ)

 すなわち、1980年代までは、相対的な戦力(経済力)は、他国を圧倒して優位になったのだが、その強さをそのままに「見えざる鎖国」をしたために、現在は競争力を失った。
 もし、競争力を失ったのが事実ならば、その原因は「戦略(官)」の間違いだ(だから、口が裂けても言えないはず)。
 だから、既に(全体的な)競争力の低下(無さ)を自覚した上で、もう一度他国に追いつくことを考えよう。
 そこで、難しいことは、その強かった時代の人々が健在であること、それらの人はどのように振舞うのか、そして、長い将来を見てくれるのかということだろうか?

 まぁ、あと20年位するとコトが顕在化することだろう。

 日本の将来に対する書籍は多数出ているので、機会があれば、他のものにも当たってみよう(立ち読みした中には、官僚をうまく使えというのもあったし・・・)。