本書は
岩波文庫版で読む。
岩波文庫版の本書での特徴は、新漢字、新仮名遣いになっていること、そう、余り
旧字体に不慣れな身にとっては有難いことである(が、本来の作品の価値を貶めることにもなるかもしれない)。
そのようなことはさておいて、本書は短編集である、そして、少し怖い話だ、しかし、凄く怖い話では無い。
何かが起こりそうな前兆はあるが、あからさまな破壊や、残虐な情景はでてこない。
しかし、その制限の効いた話ぶり(文体)が、良く考えると奥深いものを思いを誘うのだ。
そう、本当の怖さは、自分の思考によって生み出されるのだ。
こういう、作品群もあるのだなぁ、と感心してしまったのだ。