110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

雪国(川端康成著)

 本書は岩波文庫版で読む。

 冒頭の書き出し「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。・・・」は、国語の試験問題に出るぞと言われて覚えているのだが、肝心の作品の方は(大変恥ずかしいことながら)未読であった。
 
 そして、この著者に格別興味があったわけでもない。
 もし、奇しき縁があるとすればこれが50円で積んであったことだった。

 読んでみるとわかるのだが、久しぶりに熱中して読める本に出会った。
 いわく、思わず読んでしまう文章だが、誰もがこのように書けるものではない。
 そして、この小編に費やした時間のことを考えてしまう。

 しかし、駒子はこの後どうなるのだろう?

 私もこの幻想(いや現実か?)の虜になってしまったようだ。
 永遠の謎を残した本である。