110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ぼくはオンライン古本屋のおやじさん(北尾トロ著)

 本書は2000年風塵社より刊行されたもの、私はちくま文庫版で読む。

 そういえば、古本を買う立場としてここ数年過ごしてきた、そして、本書でも「背抜き」と書かれている、本来もう少し高値であって販売されてもおかしくない本が、思った以上に安い値札が貼られていることを、見抜く目は少しできてきたようにも思う。
 それならば、古本屋するか・・・・?
 そんな事を考えているときに目に付いたのが本書で、丁度「板橋七福神巡り」の途中にあった古本屋で買ったのだった。
 ちなみに本書は著者が、オンライン(インターネット)上で古本屋を開業するということについて、様々な情報を提供してくれる本で、本書を読んで、実際に古本屋になったという人も結構いるらしい。
 小冊でありながらも、新規開業時から数ヶ月の収支まであり、貴重な情報を提供してくれるものだ。
 そして、本書での、古本屋の歩き方・探り方は、何か共通したものがあり、妙に共感してしまったのだった。
 本の世界も良いものだよね。

 さて、それでは、古本屋やるのか?・・・というと、少し準備期間が欲しいなというのが素直な感想であり、自分の蔵書をもとに目録を作ります仮想の古本屋でも考えようかというレベルだ。
 そのわけとして、まず、自分としては、売るほうよりも読むほうに行ってしまわないかという危惧がひとつある、そして、最近BookOffなどの本棚を見ていると、活字系の書籍が、質量ともに低下してきて、マンガ、DVD、ゲームなどの方へ比重が偏っている様にも思うのだ、すなわち、書籍をメインにする古書店はこの先難しいのではないかということだ。
 ただし、本書のように副業でということならば、十分面白い仕事になるかなと思うのだ。

 古本屋、形態はともあれ、一度はやってみたいものだ。