110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

物理学はいかに創られたか(アインシュタイン・インフェルト著)

 本書は岩波新書(初版は昭和14年、入手したのも昭和34年版)で読む。

 21世紀になってからは、情報にしても何にしても多様化したので、定番というのが難しくなったと思う。
 しかし、20世紀ならば「天才」といえばこの人の名前を出せば間違いがなかったのだ。
 だから、往年のヒーローに出会った感覚で本書は読む。
 共著者とはどういう風に分けて執筆したのかは不明だが、相対性理論の説明での比喩の使い方はとても上手くなされている。
 その相対性理論が提唱され、そして実験により検証され、更に、私たちの身近に存在するためには、GPS、そしてカーナビの普及という技術革新そして時間が必要だったのだ。
 そんなことを考えると、何か感慨深い思いになる。

 本書も、上に書いたように、初版が戦前のものだったために、日本語としては古めかしいところがあるのだが私的には楽しみながら読めたのだ。

 それにしても、その相対性理論も意外に形而上的なところがあると思うのだ、それは、異なる速度にある慣性系からの(光の)見え方が違うというのは、神様らしく(統一性が)ないというところに端を発しているようなのだ。
 そんな風に考えると、物理と哲学は、何か同じ問題を異なった手法で取り扱っているように思うのだ。
 光の性質が粒子と波動の両側面を持つとかいうことなどなど・・・・(物理学の方が厳密なようには思うが)