哲学以前(出隆著)
本書は講談社学術文庫版で読む。
日本の哲学者は一般に余り目立たないと思うのだが、その著作とともにどんなことをしたのかを追ってみると意外に活動家であったりする、体系的な哲学書を著すということも重要なことだが、哲学者としての生活というのもあるのではなかろうか。
本書は、哲学の入門向けに著者がなるべく平易な言葉でその基本的な事柄を著したもの、確かに、言葉は易しいが内容はなかなか奥が深い、本書が、当時の中学・高校生向けというのを知ると、当時の学生のレベルの高さを知るとともに、自分の教養の無さを反省することになった。
哲学以前と題しているが、基本的な問題意識やその考え方は網羅されているように思う、あと興味があれば、各論として個別の哲学者の思想を研究していけばよいのではないかと思う。
本書でも、人間の良心というものが、究極的な判断の基準の様に読み取れるところがあり、その前に、理性というものが必ずしも真理ではないという趣旨の記述があったのを受けて、良心が常に善であるという根拠が不明ではないかと思って読み進めると、まさに、そこにはその(良心の)問題が記されているのだ。
「哲学以前」という題名にだまされてはいけない、なかなか手ごわい(ある意味可愛い)本であるのだ。
日本の哲学者は一般に余り目立たないと思うのだが、その著作とともにどんなことをしたのかを追ってみると意外に活動家であったりする、体系的な哲学書を著すということも重要なことだが、哲学者としての生活というのもあるのではなかろうか。
本書は、哲学の入門向けに著者がなるべく平易な言葉でその基本的な事柄を著したもの、確かに、言葉は易しいが内容はなかなか奥が深い、本書が、当時の中学・高校生向けというのを知ると、当時の学生のレベルの高さを知るとともに、自分の教養の無さを反省することになった。
哲学以前と題しているが、基本的な問題意識やその考え方は網羅されているように思う、あと興味があれば、各論として個別の哲学者の思想を研究していけばよいのではないかと思う。
本書でも、人間の良心というものが、究極的な判断の基準の様に読み取れるところがあり、その前に、理性というものが必ずしも真理ではないという趣旨の記述があったのを受けて、良心が常に善であるという根拠が不明ではないかと思って読み進めると、まさに、そこにはその(良心の)問題が記されているのだ。
「哲学以前」という題名にだまされてはいけない、なかなか手ごわい(ある意味可愛い)本であるのだ。