110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

アメリカ・インディアンの書物よりも賢い言葉(エリコ・ロウ著)

 本書は、扶桑社より1999年刊行された、私は、2001年初版の扶桑社文庫版で読む。

 最近の読書が少し荒れている。
 本の選択や、その内容は悪いとは思わないのだが、何か、言い知れぬ怒りのようなものをもちながら読書しているようなので、少し、気分転換をしなければと思った。

 そういうわけで、本書など気軽に読んだ、しかし、この表題からして、気にすると大変気になる。
 「書物よりも賢い」とは、本書の中に、言葉を記述すると、それが一人歩きするという趣旨の文が記されていたが、それではないのか、違う見方で言えば、そこに書いてあるがために、簡単に理解した紀になったしまうのではないかということかもしれない。
 例えば、私の趣味のギターならば、こういう記述ができる「1弦の3フレットを、左手薬指で押さえる、そのとき、右手は、中指でその弦をアポヤンドではじく」・・・この場合は、実際に自らがこの通りに実践できなければ、練習をしなければ鳴らない実例なのだが、実は、厄介なのは思想である。
 例えば、「暴力に訴えず平和的に話し合いで解決する」などは、この文章を見て、「まぁ、そうだろうな」と思う人が多いのではないかと思うが、いざ、やってみると、とんでもなく難しいことがわかる。
 国家間のいざこざなどを考えると、反例がたくさん出てきそうだ。
 だから、言葉は難しいのだなぁ・・・と思うわけだ。

 ということで、本書の短い箴言をいくつか、
 「知識ではなく、智恵を求めよ。知識は過去のものだが、智恵は未来をもたらす。」
 「思考は、矢のように、放たれたら、的を射る。注意しないと、自分の放った矢で、倒れることになる。」
 「蛙は棲む池を飲み尽くしはしない」
 「どんなことも7世代先まで考えてきめなければならない。」

 原発について考えながら選択してみました。