110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

断章41~46

 断章41は、少し調べるとまさに文が途切れているらしい、しかし、面白い視点がある。
 「人間は意地悪が好きである」それは、本当に不幸な人に対してではなく「高慢な幸せ者に対してである。そこをはずすと見当違いになる。なぜなら、邪欲はわれわれの動きの源であるから」ときて「そして人間性も」のところが切れ目らしい。
 
 それは、次にくる「人間的でやさしい感情を持った人たちの・・・」と矛盾するのではないかと、指摘している人がいた。そう読むことは可能だが、しかし、この文章自体が特出している。

 そして「二人の片目の寸鉄詩・・・・」は、著者の意志や欲望のために書いたもの、本断章では「著者のためでしかないもの」には「何の値打ちもない」と手厳しい。
 本断章は、理解はできるが実現は相当難しい。

 断章42
 「王に対してプリンスというのは気持ちがいい。そうすれば、彼の位がさがるから」
 →断章41、「人間は意地悪」で「邪欲はわれわれの動きの源」

 断章43
 エゴイズムへの警告か?
 ある著者は自分の著作を「私の本、私の注解、私の物語、等々」と言うが、これは「われわれの本、われわれの注解、われわれの物語、等々」と言うほうが良いとする。
 なぜなら「普通の場合、そこには彼ら自身のものよりも他人のもののほうが、よけいにはいっているからである」
 なるほど。

 断章44
 「君は人からよく思われたいと望んでいるのか、それなら、そのことを自分で言ってはいけない」(全文)

 断章45
 「言語というものは、文字と文字とが置き換えられているのではなく、言葉と言葉とが置き換えられている暗号である。したがって、未知の言語も解読可能である」(全文)
 ・・・意義あり、しかし、「言葉と言葉が置き換えられている暗号」を解読できる人ならば、未知の言語も読み解くことができるだろう。

 断章46
 「警句をよく吐く人、悪い性格」(全文)
 寸鉄詩⇔警句