茶道改良論(田中仙樵著)
本書は講談社昭和62年刊行のもの、私は講談社学術文庫版で読む。
茶道については良く分からないのだが、本書は面白く読むことができた。
この著者は、当時の茶道界の常識を破って、明治31年に「大日本茶道学会」を創設し当時、秘伝とされていたものを開放したのだ。
そういう経歴だから、本著者への風当たりも強かったことが予想されるのだが、その逆風に抗って行く、その姿勢が文章に表れている。
細かく見ていけば、論理の破綻もあろうし、精神論的な思い込みと思われても仕方がないところもあるのだが、全体として漂うところは、自分の茶道への意志の表現であり、地に足の着いた文章を書く人だという印象を受けた。
いや、逆に、この世に無くても良い「茶道」という趣味・道楽を、具体的な形でこの世に現出させる魔術士と意って良いのかもしれない。
そこには、タネが隠されているのだが、それでも、人々はその全霊を欠けた芸に感動するのだ。
茶道については良く分からないのだが、本書は面白く読むことができた。
この著者は、当時の茶道界の常識を破って、明治31年に「大日本茶道学会」を創設し当時、秘伝とされていたものを開放したのだ。
そういう経歴だから、本著者への風当たりも強かったことが予想されるのだが、その逆風に抗って行く、その姿勢が文章に表れている。
細かく見ていけば、論理の破綻もあろうし、精神論的な思い込みと思われても仕方がないところもあるのだが、全体として漂うところは、自分の茶道への意志の表現であり、地に足の着いた文章を書く人だという印象を受けた。
いや、逆に、この世に無くても良い「茶道」という趣味・道楽を、具体的な形でこの世に現出させる魔術士と意って良いのかもしれない。
そこには、タネが隠されているのだが、それでも、人々はその全霊を欠けた芸に感動するのだ。