断章82
断章82は比較的長いものだが、この断章の集約は冒頭にある。
想像力。
これは人間のなかのあの欺く部分のことである。あの誤りと偽りの主であり、いつもずるいと決まっていないだけに、それだけいっそうずるいやつである。なぜなら、もしそれが嘘のまちがいのない基準だったら、真理のまちがいのない基準となっただろうから。
この後は、その(悪しき)事例を列挙する、私的にわかりやすかったのは「世の最大の哲学者が、必要以上に幅の広い板の上に乗っていたとしても、もしもその下に絶壁があれば、彼の理性が彼の安全を納得させても、彼の想像のほうが勝つだろう。多くの人は、その考えをいだくだけでも、色を失ったり、冷や汗をかいたりすることであろう」これは人間のなかのあの欺く部分のことである。あの誤りと偽りの主であり、いつもずるいと決まっていないだけに、それだけいっそうずるいやつである。なぜなら、もしそれが嘘のまちがいのない基準だったら、真理のまちがいのない基準となっただろうから。
そして、こういうような、想像力のほか、人に誤謬を起こさせるものの例として、病気や利害というものを上げている。
人は、理性が訴えかけてもそれとは違った方向へと体が動いてしまうことがある。
そして、過去の過ちを思い出すときに、その理性にしたがって(自己)批判したならば、生きることがつらくなるのではないかと思う。
さて、私はどうすればよかろう?
そして、過去の過ちを思い出すときに、その理性にしたがって(自己)批判したならば、生きることがつらくなるのではないかと思う。
さて、私はどうすればよかろう?