マイ・ラスト・ソング(久世光彦著)
本書は、文春文庫版で読む、ちなみに、本書の続編「みんな夢の中」も読む。
本書の意図は、「あなたの最後の瞬間に聞きたい曲は何か?」というお題から、敷衍していった著者の音楽に関するエッセィという形態になる。
そして、著者のラストソングには、子供時代から青年期の曲が候補として多い様に思うし、私が思い浮かべるのもこの時期のものになるだろうなぁと予想する。
ちなみに、私が思い浮かんだものは、イーグルス「ホテルカルフォルニア」、10cc「アイムノットインラブ」、クラトー(カーペンターズ)「CALLING OCCUPANTS OF INTERPLANETARY CRAFT」、ショパン「別れの曲」、森高千里「渡良瀬橋」、パットメセニーグループ「First Circle」(これは歌詞が無い、失礼)、ボストンからも1曲・・・何か、日本のものが少ないなぁ、ある意味そういう世代でもあるけれども。
しかし、本書に出てきた歌のほとんどは知らないのだけれども、掲載された、歌詞や、著者の文章を見ていると、一度聴いてしまいたい衝動がある。
結論としては、良い音楽は意外に近くに眠っていたりするものなんだろうなといこと、そして、戦争による断絶は、音楽としての損失もあったであろうこと・・・そんなことは言えるのではないか。
そして、本書の内容は、少し前にあげた「近代日本の心情の歴史(見田宗介著)」と関連付けられることでもあるかなと思う。