芥川文芸の世界(吉村稠・中谷克己著)
本書は明治書院昭和52年刊行のもの。
本書は、芥川龍之介の作品を年代をおいながらその思考の変遷をたどっていくもの。
それは、芥川の中心思想をエゴイズムとし、その捉え方の変化、すなわち、エゴイズムへの寛容的な立場から、今度はそれの否定へ、そして最後に(エゴイズムによる)絶望という道筋。
そして、その延長線上にある自殺という実生活の終局を俯瞰している。
私のようなものは、ただの「エゴイズム」ではないかと思ってしまうのだが、芥川はその(言葉の)世界に生きているわけで、(お笑いになられるかもしれないが)私たちとは別世界に棲んでいるのではないのかと思う。
それは、もしかすると、三島由紀夫も陥ってしまったところなのかもしれない・・・(違うかもしれない)。
小説というフィクションと現実に生きている自分自身との区別が不明になってしまった時「地獄篇」の絵師良秀に伺える矛盾の世界に巻き込まれてしまうのではないかと思うのだ。
その時に、実体の方は生存し続けられるのだろうか?
いわゆる「イデア」の中で生身が生きられるかどうかという事だが・・・
本書は、芥川龍之介の作品を年代をおいながらその思考の変遷をたどっていくもの。
それは、芥川の中心思想をエゴイズムとし、その捉え方の変化、すなわち、エゴイズムへの寛容的な立場から、今度はそれの否定へ、そして最後に(エゴイズムによる)絶望という道筋。
そして、その延長線上にある自殺という実生活の終局を俯瞰している。
私のようなものは、ただの「エゴイズム」ではないかと思ってしまうのだが、芥川はその(言葉の)世界に生きているわけで、(お笑いになられるかもしれないが)私たちとは別世界に棲んでいるのではないのかと思う。
それは、もしかすると、三島由紀夫も陥ってしまったところなのかもしれない・・・(違うかもしれない)。
小説というフィクションと現実に生きている自分自身との区別が不明になってしまった時「地獄篇」の絵師良秀に伺える矛盾の世界に巻き込まれてしまうのではないかと思うのだ。
その時に、実体の方は生存し続けられるのだろうか?
いわゆる「イデア」の中で生身が生きられるかどうかという事だが・・・