情熱の行方(堀田善衛著)
本書は岩波新書1982年刊行のもの、あとがきにある「人間情熱というものが、人をして如何なる地点まで行かしめるものであるか」という著者の言葉が的確に表現していることだろう。
著者はその時に住んでいたスペインの各地を題材に、まさに人間の良いも悪いも含んだ情熱というものをい記していく。
それは、15年戦争に入った日本をも対象にされたことであろう。
過去を振り返ればある程度理性的な(歴史)評価がなされるものだが、それでもなお燻りつづけている火種のようなものはそこに人間が生きつづける以上は存在する。
それがある時ふたを外されて顕わになることがある。
たびたびニュースになる沖縄の基地問題も歴史的な観点から対応しないと解決はしない。
現に政府は強硬に事を運ぼうとしている、しかし、歴史性をもとに解決できない政府は権力で抑えることしかできない事は自明の理であろう。
まぁ、そんな能書きなどは除いても、本書に描かれているスペインという国のほんの一端を垣間見るだけでも、歴史のすさまじさに感嘆せざるを得ないのだ。
著者はその時に住んでいたスペインの各地を題材に、まさに人間の良いも悪いも含んだ情熱というものをい記していく。
それは、15年戦争に入った日本をも対象にされたことであろう。
過去を振り返ればある程度理性的な(歴史)評価がなされるものだが、それでもなお燻りつづけている火種のようなものはそこに人間が生きつづける以上は存在する。
それがある時ふたを外されて顕わになることがある。
たびたびニュースになる沖縄の基地問題も歴史的な観点から対応しないと解決はしない。
現に政府は強硬に事を運ぼうとしている、しかし、歴史性をもとに解決できない政府は権力で抑えることしかできない事は自明の理であろう。
まぁ、そんな能書きなどは除いても、本書に描かれているスペインという国のほんの一端を垣間見るだけでも、歴史のすさまじさに感嘆せざるを得ないのだ。