110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

禁煙ファシズムと戦う(小谷野敦編著)

 本書はKKベストセラーズ(2005年初)版のもの。
 小谷野氏以外に禁煙運動に対する2者の批判文章を載せる。

 喫煙は人間の嗜好な問題でありそこに国家が介入するのはやりすぎだという論調のようだ。
 また、喫煙のマナーに付いては道徳・倫理の問題であると比較的簡単に片付けてしまっている様に思う。
 本書の問題意識は、私が嫌煙派であるにしても理解できるところがあるのだが、嫌煙者として一番聞きたい、喫煙マナーの悪い人たちにはどうすれば良いのかが分からない。
 煙草を吸うことで悪気は無くても出てしまう煙を他の人が嫌がる可能性があるのならば、予期せぬ加害者である喫煙者はどうすれば良いのか?
 たとえば、食堂でそこが禁煙で無くても、食事をしているときに他人の煙草の煙が漂ってくるのはいただけないよね、味が変わるし気持ち悪くなったりする人(特に非喫煙者)もいるよね、観察していると、そういう喫煙者も本心は分からないけれども自分の食事がくると煙草を消す人多いよね、何故かな?
 だから、本書でも小谷野氏が批判したような、煙草の火が他人に触れる場合に「わざわざ当たりに行ったのじゃないか」みたいな批判はだめだよね、触れたら危ないもの、ナイフなどを考えてもわかるように、やはり「それは悪いことだよね」でなければ、自分勝手な判断だと思われても致し方がなさそうに思うのだが。

 法規制に問題があるならば、そうならないような倫理・道徳・マナーの方をなんとかする方法を示唆して欲しかったのだ。