110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

円安待望論の罠(野口悠紀雄著)

 本書は日本経済新聞出版社2016年刊行のもの。

 自分の住んでいるところであちこ家を立てている状況を見て、かつてのバブルの時を思いだした。
 実感としては景気が良いと思えないのだが、新聞をちらりと見ると、景気の「指標」が良くなっているらしい。

 今の、若い人たちが「バブルを知らない」と不満を表しているのに対して、その当時生きていた私にはほとんど影響がなかったと以前ブログでコメントしたことがあるのだが、今の状況を見ると、皆もあのバブルと同じ状況にあるのではないのかな?
 などと思っていた。

 そこで、見つけた本書を読むと、不動産、株価のバブルが生じているという記述があり、なるほどと思ってしまったのだ。
 著屋の論点に反論する方もいるだろう、「もう2年もたつのに破綻の兆候がないからおかしい」という現実ベースの批判もあったが、(マスコミも表立って言わないのだが)完全に少子高齢化の状況に陥っている日本という国で、例えば、アジア圏の中での相対的な生産性(一人当たりGDPなどで比較)が低下しているなかでの、景気を向上させるにはどうするのか?
 金融緩和という栄養剤を補油し続け、バブルを起こさせる、これしかシナリオはないだろう、短期的には…ね?

 さて、その長期的な展望はどうなるのか?
 これは、予想しずらいことだろうが、素人目にも、日本の状況はかなり変則的だと思われる。
 だから、最近の気候変化でよく耳にする「50年に一度」とか「100年に一度」の事件がいつ起こってもおかしくはないと思う。

 ちなみに、このブログでは安倍首相をよく批判してきたので、アベノミクスを批判するのかというと…しない。
 だって、安倍さんが経済通だとは思えないからだ、結果オーライでここまで来たわけだから、どんなことが起きても、国民の意思(多数決だろうけども)だは否定できないと思う。
 どちらかというと産業界の意思かな?

 まぁ、あのバブル的な状況を今の若い世代と共有できたので良しとしようよ、一般人は。