110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

はじめての構造主義(橋爪大三郎著)

 構造主義なるものは良くわからなかったが、本書を読んで少し理解した。
 社会の様々な事象を抽象化し、その奥に潜む法則(構造)を数学的な手法で分析するという事のようだ。
 ただ、現在では、ポスト構造主義なるものが生まれて、時代遅れのイメージを持たれているようだ。

 さて、このような、思想のはやり廃りをいろいろ目の当たりにすると、「どの考え方を採用すれば良いのか?」という疑問が出てくる。
 いわゆる、プラトンのような古典から、近代的な哲学まで、つまみ読みしてきたが、それぞれがそれぞれなりの、奥行きを持っている。
 それでは、いきなり最先端の思想に飛びつけば良いのか?
 ある種、現代の様に情報が過多な状況でも、全く問題なく処理する力のある人ならば、それも可能だろう。しかし、最近(最新)の思想ほど何か複雑で、容量が多くなっている様に思う。
 それを、理解しているうちに、新しい思想が現れてしまう。
 ならば、もっと、単純でわかりやすいものの方が良いのかもしれない。
 例えば、ストア哲学のように、論理的に穴があっても、良いではないか。
 そんなことも考えてしまった。

 でも、レヴィ=ストロースの著作はいつか読んでみたいと思ったので、この本の著者の目的は、私には対しては効果があったと思う。