110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

哲学入門(竹田 青嗣著)

 年をとってきて嗜好が変わってきた。以前は鼻にもかけなかった「哲学」に興味を持つようになった。また、「諸刃の剣」ではあるが、「宗教」(の思想)にも興味を持つようになった。
 さて、今回読んだ本は古本屋で買った、以前は、わざわざお金を出して新しい本を購入していたが、これも趣向が変わった。
 古本屋では、本を「臭い」で買う、鼻で嗅いで余り読まない(いわゆる直感で選ぶと言うことの比喩です・・・でも嗅ぐけど)。
 そうすると、良い本にめぐり合える事がある。しかも、普通に買うより安い、何か得して気分にもなる。
 昔、LPレコードの全盛の頃、特に事前の情報も無く、レコード屋に行って何か今までない1枚を選ぶ時に、LPジャケットで選ぶと言う事をやった。(今の人にとっては異様かも知れないが)ECMレーベルなどではそのようなことで何枚か買った記憶がある、そんなやり方だ。
 
 さて、この本は「入門」と言うことだが、個人的には大変勉強になった。「現象学」のフッサールニーチェハイデガーなどを、入門書から読んで見たいと思う。
 人間の根底には「死に向かう」という現実がありこれを元に生きている。(これは、仏教的な考え方でもあるが)そこで、「自分はどうするの?」に向き合えたらと思う。

 この本の中で、ニーチェによるものとして、「キリスト教のモラルは、ユダヤ人がローマに支配されていた影響がある」という記述があった。先般から読み進めていた「ローマ人の物語」もまだ宗教色が薄いが、この先キリスト教の影響が出てくると思う。(こんなところで、ローマとつながってしまった)
 ローマ人は、年をとって思うように(体?、脳?)が動かないと、食を断って死にいたる人がいたと書いてあった、何か一種の「悟り」を見ているようだ。また、軍隊の中でもいわゆる憲兵がいないのに秩序が保たれていたとある。特に、典型的な思想や宗教が窺い知れないのに、何故、秩序は保たれたのだろう。(意外と簡単なことかもしれないが)