110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ロードス島攻防記(塩野七生著)

 「コンスタンティノーブルの陥落」に続く、塩野氏の著作による、キリスト教イスラムの戦闘記。
 当時、隆盛を誇るトルコが、海路における交通の要所である「ロードス島」、そして、そこを(最前線)拠点とする「聖ヨハネ騎士団」を力攻めする物語。
 圧倒的な犠牲者を出しながらも、降伏、開城した彼らそして島民に対し、あくまで紳士的に「礼」を尽くして接したスルタンの余裕が感じられる。
「コンスタンティノーブルのい陥落」でもそうだったが、現在並行で読んでいる「ローマ人の物語」(文庫版)の時代とは戦い方が違うことに気づく。
 少し、ほっとしたのは、「聖ヨハネ騎士団」は滅亡したのではなく未だ活動を続けているという後日談が書かれていたところにある。

 この著作中で、印象に残ったのは次の文章、
 「それに、記録を残すという行為は、無意識にしても、明日を考えるから行えることである。明日を考えると言う意識は、健全な精神の表れでもある。・・・・」(文庫版P192)
 「記録」という言葉を「ブログ」に置き換えてみよう。
 自分も、なんやかや言い訳をしては、生きる事に奔走しているのであろう。