110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

滅びゆく街

相生市教育委の美術展で…作品「滅びゆく街相生」に撤去要請̪市教育委『ふさわしくない』という記事がありました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191105-00030277-mbsnewsv-l28

(↑すでにリンクが切れていました、ごめんなさい)

78歳の書家が「文化の発展しない所はやがて衰退して行く運命にある。我が町相生はその典型的な一例である。」というような毛筆の作品を出展したようです。

これに対し市教育委側は「一生懸命作品を出品されている方、相生の文化を盛り上げようとされている方もおられるわけでございますからね。そういった方が同じ美術館の中でそうした作品が並ぶのは失礼ではないかなと。」(相生市教育委員会 浅井昌平教育長)

で、これがY!なのでコメントを見るとこの男性書家に対しての批判が多いようだ、また、書家の年齢を捉えて「老害」というのも意外に複数あったが、それは投稿者の品格が疑われても文句は言えないだろう。

さて、教育委員会の浅井さんの発言を良く読んでみよう「相生の文化を盛り上げようとされている方もおられる…」、多分、丁寧に話したかったのだろうが、「盛り上げようとされる」ということは、この書家の指摘(もしかすると、単なる見栄えの良い文字を並べたと言われたら身も蓋もないのだが)の「文化の衰退」が既にある事実だというようになんとなく匂ってくるのだが、いかがだろう?

それならば「衰退」は正しい指摘だから、失礼ではないのでは?

それはあまりにリアルで幻滅するからやめようよ…という事なのかもしれないね。

もとより、地方色、地域色というものが薄れている状況での、地域文化の衰退を指摘されて「そりゃ違う、うちは伸びている」という自治体がどのくらいあるのかは興味ある問題提起ではあろう。

逆に、この書家が一般に言うところの高齢者であるからこそ、その歴史性から来る、実感があるのではなかろうか?

ちなみに、私はこの事件のすべてについては分からない、この書家が他地域から最近転入してきた人とかいうことならば、以上の仮説も見直さねばならないのかもしれないね、ただし、(文化の)衰退という事実はその地域性と組み合わせて考えるともっともな事ではないかとも思うのだが。