金鍾泌証言録
本書は新潮社から2017年刊行のもの。
本書はリサイクル資料として入手した、定価は(あってないようなものだが)12,000円であった、豪華な装丁だが誰も手を出さなかったようで、物好きな私の元に来た。
金鍾泌という人を少し知ったのは、NHKで「渡辺恒雄 戦争と政治~戦後日本の自画像」という放送を見た時に、渡辺恒雄が金鍾泌氏を大野伴睦に紹介したという話があったからだ・
金氏は、1965年の日韓国交正常化に多大な貢献をした人物だったわけだ、それは本書にも書かれていることだ。
現在、日韓関係は非常に良くないようだが、その原因は、やはり、お互いの国の国民の性情が変わってしまったということなのだろう。
1965年の時点では、あの戦争を経験した者が主体となり交渉が行われただろうが、現在の交渉者は戦後の生まれとなり、価値観の違いが鮮明になってしまったのではないかと
思うのだ?
この本では、当時の日韓会談に臨んで、韓国側も大きく妥協していたことがわかるし、独裁制であったがゆえに国民感情を抑えられた経緯も伺える。
それは、奇跡的なことが重なって起こったことだったのではないだろうか?
しかし、今は、そんなことも、忘れられてしまい、本書も、早々と、リサイクル資料となってしまった。
まぁ、私的には読んでタメになったので良しとするか・・・