アメリカ様(宮武外骨著)
本書はちくま学芸文庫版で読む。
私はあと2年もしないで還暦だ、だから、昭和の事を考えても良いだろう。
その中で一番大きい事件はあの(15年)戦争だろう。
戦後生まれの私などは、戦争に与した大人たちをまとめてあたかも犯罪人のごとく偏見の目で見てしまう傾向があるのだが、たとえば、本書の外骨、竹内好、鶴見俊輔などなど数多くそれに抗っていた人も数多くいることも事実なのだ。
だから、そういう本があれば、少しづつ、なるべく偏見を持たずに読んでいきたいと思う。
いたずらに、結論から判断して、全てを決めつけるほど、ある意味愚かなことはないだろうからね。
さて、終戦直後に書かれた本書は外骨らしい本であり、本書での彼の期待が実現したら、現在の日本はどうなっていただろうかと、多少の寂しさも交えながら、思うところがあるのだ。