110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

「スマホ子育て」は今すぐやめるべき…脳科学者が「スマホにはあきらかな毒性がある」と警告する理由

news.yahoo.co.jp

親も含め、明らかに周囲に対しての配慮が伺えない人間が若年層(推定30歳ぐらいでも感じることがある)に散見される。

少子化対策を考えるよりも、人口減少して滅びの道を選んだほうが正しいのかもしれない。

スマホ子育て」は今すぐやめるべき…脳科学者が「スマホにはあきらかな毒性がある」と警告する理由
5/13(土) 10:17配信 プレジデントオンライン
スマホを見ながらの子育ては子供にどのような影響を与えるのか。東北大学川島隆太教授は「親がスマホの画面ばかりに目を向け、子供と目線が合わないと子供は不安を覚える。その結果、イライラや抑うつなどの感情障害を引き起こす」という――。
 ※本稿は、川島隆太スマホ依存が脳を傷つける デジタルドラッグの罠』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。

■子どもの脳はスマホの悪影響を受けやすい
 私が、もっとも心配しているのは、子どもたちの脳です。大人に比べて子どもの脳はまだ脆弱であるため、デジタル機器の使用による悪影響を受けやすいであろうと思っています。
 先ほどから述べているとおり、スマホを使用すると、脳の知的中枢である前頭前野の活動が抑制されます。前頭前野が働かなければ、思考やコミュニケーションといった人間らしい能力は身につきません。前頭前野は、感覚、視野、運動にかかわる他の脳の部位よりゆっくり発達することがわかっています。そのため、生まれてから青年期までの経験や生活習慣によって発達に影響が出やすくなります。
 その脳の成長にいちばん大事な時期に、子どもにスマホをポイッと与えてしまう。
 その危険性について改めてお話ししたいと思います。

■他人の感情を理解できない子どもに育つ
 多くの人は、「有害なコンテンツを見せなければ大丈夫なのでは?」「ジブリやディズニーのアニメなら子どもが見ても安心」などと安易に考えているかもしれません。
 しかし、事態はみなさんの想像以上に深刻です。
 赤ちゃんを泣きやませるとか、幼児をおとなしくさせるためにスマホタブレットを渡してしまう親がいますが、あれは絶対にやめるべきです。
 理由ははっきりわかっていませんが、小さな子どもは、すぐにスマホに夢中になります。恐ろしいことに0歳児でも、iPhoneiPadに興味を持ち、画面をスワイプして遊びだしたりするのです。
 こうした、生まれたときからデジタル機器が生活のなかにある世代の子どもたちには、あきらかな異変が起こり始めています。
 というのも、近年小・中学校の児童生徒のなかに、自分の感情をうまく表現できず、他人の感情もうまく理解できないという子どもたちが急増しているのです。

■「授乳中にスマホ」が与える深刻な影響
 「そこまで子どもをスマホ漬けにした覚えはない」と多くの親は否定するでしょう。
 しかし、私は街中で幼い子と手をつないで歩いている親が、子どもではなくスマホの画面を見ているという場面にたびたび遭遇します。
 また、ベビーカーを傍らに停め、自分は公園のベンチに腰かけてスマホに夢中といった親もいます。せっかく一緒にお散歩に出かけても、子どもへの関心や安全への気配りはどこかに行ってしまったようです。
 じつは、子どものスマホ使用以前に親がスマホをいじりながら子に接する「ながら子育て」は、子どもの脳の発達に悪影響を与えます。
 保健所の保健師さんたちに話を聞くと、乳幼児健診の現場で赤ちゃんの顔をまったく見ず、授乳しながらスマホを見ているお母さんがいるというのです。これには私も唖然としてしまいます。
 生まれたばかりの赤ちゃんは、目の細胞が未発達で30cm程度の近い距離にしか焦点が合いません。この30cmというのは、じつは赤ちゃんがおっぱいを飲みながら見つめる母親の顔との距離なのです。

■「心の安全基地」が持てず不安になる
 赤ちゃんはお母さんと目と目を合わせることで安心し、親子の愛着関係が生まれます。これは、哺乳瓶で赤ちゃんにミルクを飲ませるときも同じです。もっとも、哺乳瓶を持っていればさすがにスマホは持てないでしょうから、これなら、むしろ母乳よりもよいのではないかとさえ思ってしまいます。
 このようなわが子の心を育てる大事な時間に親がスマホをいじっている。そうすると子どもは愛着形成がされず「外の世界で何があってもここに戻ってくれば大丈夫」という、心の安全基地を持つことができません。
 その結果、ストレスに弱い、イライラしやすい、不安や抑うつになりやすいといった問題がおこる可能性が高まります。
 こういった子どもの感情障害に、スマホ使用が深くかかわっていることに多くの大人たちは気づいていません。子どもに気軽にスマホを渡すばかりか、自分たちがスマホを使いまくっているという状況です。

スティーブ・ジョブズは我が子にスマホを使わせなかった
 じつは、デジタル機器が子どもの脳に及ぼす影響を開発者たちはよく知っているのではないかと思います。
 というのも、iPhoneiPadを世に送り出した、アップルの創業者のひとりでカリスマ的なCEOであったスティーブ・ジョブズが、子育てではローテク主義を貫いたというのは有名な話です。
 ニューヨーク・タイムズの記者がiPad発売直後の取材で、ジョブズに「あなたの子どもたちはこの製品をどんなふうに楽しんでいるのか」と質問したところ、「うちの子たちは使っていない」と答えたそうです。さらに「自分の子どもたちがデジタル機器に触れる時間を厳しく制限している」と明かしたのです。
 テクノロジーで世界屈指の大富豪となった、マイクロソフトの創業者のひとり、ビル・ゲイツも子どもたちには14歳まで携帯電話を持たせず、夕食のときは取りあげていたと語っています。

スマホには明らかに毒性がある
 ジョブズゲイツのローテク子育ては、シリコンバレーの成功者たちの例外ではありません。
 欧米のハイテク企業のトップたちは、身体活動、芸術、体験学習などを重視し、12歳未満のスクリーンタイム(画面を見る時間)を禁止するといった自然教育を実施する学校にわが子を入学させ、子どもたちが6年生になるまでコンピュータートレーニングを受けさせないといった子育てを行っているそうです。
 開発者側はここまで神経質に、わが子をデジタル機器から守ろうとしています。
 それならば、たばこの箱に「喫煙は、さまざまな疾病になる危険性を高め、あなたの健康寿命を短くする恐れがあります」「ニコチンには依存性があります」と書かれているように、スマホタブレットの画面にもときどき「デジタル機器の長時間使用は子どもの脳に悪影響を及ぼすおそれがあります」「スマホには依存性があります」といったメッセージが表示されるようにしてほしいものです。
 そうしなければならないほど、スマホにはあきらかな毒性があります。その毒から子どもを守る方法を、社会全体で考えていかなければならないと思うのです。
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川島 隆太(かわしま・りゅうた)
東北大学加齢医学研究所教授
1959年千葉県生まれ。89年東北大学大学院医学研究科修了(医学博士)。脳の機能を調べる「脳機能イメージング研究」の第一人者。ニンテンドーDS用ソフト「脳トレ」シリーズの監修ほか、『スマホが学力を破壊する』(集英社新書)、『オンライン脳』(アスコム)など著書多数。
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