滅びのチター師(軍司貞則著)
本書は1982年文藝春秋社刊行のもの、私は文春文庫版で読む。
チターという楽器があり、これを有名にしたのが「第三の男」という映画である。
実は、この映画は見たことが無かったので、見てみた(現在は、パブリックドメインというカテゴリーなので安価に入手可能だ)。
映画「第三の男」は良い作品だ、ストーリーは法を犯す友人を追い詰めていくという、いわゆるミステリーだが、細かい描写が優れている、映画ならではというイメージを持った。
そして、全編に流れる音楽は、すべてこのチターという楽器で奏でられるのだ。
ギターは弾いたことがあるので、音の厚みや表現が薄っぺらにならないかと思ったが、全く遜色は無い、そして、この音楽を作り、弾いているのが、アントン・カラスという人だ。
しかし、このカラスという人、祖国のオーストリアでは余り知られていない。
この映画のヒットと共に、世界的な有名人となった、そのカラスが何故自身の故郷で知られていないのか?
この疑問を追いかけるのが本書の内容だ。
そこには、オーストリア、そしてウィーンというところに住む人たち、そして、第二次世界大戦直後という事情、そして、カラスという人自身という、様々な要因が存在する。
そして、特に、人種差別という事に関して考えなければならないところも多い。
歴史というのは、一面的に見ることはできない、その事例を良く示しているようだ。
しかし、成功した後、そのために差別を受けながらも、ウィーンに住むことに固執した、カラスという人の気持ちを推し量ると、なかなか人間の心理(心)というものは複雑なようだ。
チターという楽器があり、これを有名にしたのが「第三の男」という映画である。
実は、この映画は見たことが無かったので、見てみた(現在は、パブリックドメインというカテゴリーなので安価に入手可能だ)。
映画「第三の男」は良い作品だ、ストーリーは法を犯す友人を追い詰めていくという、いわゆるミステリーだが、細かい描写が優れている、映画ならではというイメージを持った。
そして、全編に流れる音楽は、すべてこのチターという楽器で奏でられるのだ。
ギターは弾いたことがあるので、音の厚みや表現が薄っぺらにならないかと思ったが、全く遜色は無い、そして、この音楽を作り、弾いているのが、アントン・カラスという人だ。
しかし、このカラスという人、祖国のオーストリアでは余り知られていない。
この映画のヒットと共に、世界的な有名人となった、そのカラスが何故自身の故郷で知られていないのか?
この疑問を追いかけるのが本書の内容だ。
そこには、オーストリア、そしてウィーンというところに住む人たち、そして、第二次世界大戦直後という事情、そして、カラスという人自身という、様々な要因が存在する。
そして、特に、人種差別という事に関して考えなければならないところも多い。
歴史というのは、一面的に見ることはできない、その事例を良く示しているようだ。
しかし、成功した後、そのために差別を受けながらも、ウィーンに住むことに固執した、カラスという人の気持ちを推し量ると、なかなか人間の心理(心)というものは複雑なようだ。