110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

家族の政治学(R.D.レイン著)

 本書は1979年みすず書房刊行のもの。

 最初は家族と言うのが、一つのユニットとして、精神病の孵卵器という位置づけかと思って読んでいったが、最後は、私たちの言葉に刻印された「徴」についての批判であった。

 言葉というのは不思議なもので、つい無意識のうちに、他者を拘束してしまう。
 それが、たとえ言葉使いが丁寧であろうと、何らかの形で影響を与える。
 それが、再帰的に繰り返されるとどうなるのか・・・・そこには、ある意味が濃縮(凝集)されるのではないか?
 そして、それが、言葉のうちにある種の「否定」をともなっていたらどうだろうか?

 そして、その言葉による「呪文」が、意識的、無意識的に、その人に影響を与えたら・・・そこには、精神病という、象徴(シンボル)が与えられるのではないか?

 そして、その言葉自体が「呪文」であるならば・・・
 そんな事を指している様に思った。

 そして、そのような事を思いつつ、少し前にあげた「ものの考え方(ウォーコップ著)」に出ていたことを、思い出していた。