110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

反哲学的断章(ヴィトゲンシュタイン著)

 本書は青土社1981年刊行のもの。

 著者は天才的な哲学者だが、本著は気軽に読める、しかし「わたしの文章は、すべて、ゆっくりと読まれるべきだ」という著者の指摘に沿うことができなかった、思いのほか早く読んでしまったのだ。

 本来は、著者の主著を読みつつ、その思想の背景を窺うために読むのが本筋なのかもしれないが、これはこれで奥が深く楽しめる本だ。

 そんな断章からひとつだけ「わたしたちの子どもたちはもう学校で、水は水素と酸素からなりたち、砂糖は炭素と水素と酸素から、ということを教えられている。それがわからない子は、馬鹿というわけだ。いちばん大切な問題は、隠されている。」

 ここで「隠されている」ことは何だろう?・・・多分、この少し後にでてくる断章にあることではないのかと思う。

 今回は、少しいじわるだ。