110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

考え方の論理(沢田允茂著)

 本書は1958年牧書店「牧少年少女文庫」の一冊として「少年少女のための論理学」として刊行されたもの、のちに改題されて講談社学術文庫版化されたものを読む。

 本書はよく100円棚に見かける、また、少年少女向けの本だということも立ち読みするとわかるので、(自称)大人の自分が読むのには、抵抗感があって敬遠していたのだが、いざ、読んでみると、これは良い。
 確かに、古臭いところもあるのだが、大変真摯な著作であり、論理学のわかりやすい入門書という点もそうなのだが、もう少し広い射程で、言葉とか、意味を伝えること、ということについて、素直な問題点が書かれている。
 そう、真善美のような究極的な正しさというもの、それを証明することは、とても難しいことなのだと、少年少女に説いているのだ。

 これはこれで、すごい事だと思う、本来本書の立場というのが本質的だと思うのだが、何故か世の中、絶対的に正しい・・・ように見せかけている事象が多いように思うのだ(欺瞞とか詐欺だよね)。
 政治なんかね(マニュフェストが実現できないのに開き直って、法律という人間の決め事にすがって、そこに居座っているように見えるんだけれどね)。

 だから、自称大人の私も本書を読んで勉強するのだ、あまりに極端にまがまがしく正論を述べる輩は、疑え・・・と。