時空(野間宏著)
本書は福武書店刊行のもの。
本書はエッセーという位置づけらしい。
しかし、聖徳太子、秦河勝、世阿弥、金春太夫という過去の申楽~能への流れと、聖徳太子、秦河勝にゆかりの、播磨灘に広がる、執筆当時の世相、日本というものの対比、伸びゆく工業と衰退する工業、円高、公害問題、環境問題というものが渾然一体となり、著者の絶筆にならなければ、どこかに着地点があったのではなかろうかと思った。
執筆時点は、丁度バブルの頃のはずで、そこに、この著者は、この日本の何を見たのだろうか?
そして、自身の訃報を予告する、最後の2編に見える、少なくとも著者の意識の変化とは、難なのだろうか?
それは、本書にある「入院前」-「入院後」という言葉が指し示すことなのだろう。
突然、ものすごく実存的、リアルな文章に変貌したことに、ある種の衝撃を受けた作品である。
本書はエッセーという位置づけらしい。
しかし、聖徳太子、秦河勝、世阿弥、金春太夫という過去の申楽~能への流れと、聖徳太子、秦河勝にゆかりの、播磨灘に広がる、執筆当時の世相、日本というものの対比、伸びゆく工業と衰退する工業、円高、公害問題、環境問題というものが渾然一体となり、著者の絶筆にならなければ、どこかに着地点があったのではなかろうかと思った。
執筆時点は、丁度バブルの頃のはずで、そこに、この著者は、この日本の何を見たのだろうか?
そして、自身の訃報を予告する、最後の2編に見える、少なくとも著者の意識の変化とは、難なのだろうか?
それは、本書にある「入院前」-「入院後」という言葉が指し示すことなのだろう。
突然、ものすごく実存的、リアルな文章に変貌したことに、ある種の衝撃を受けた作品である。