孤独な散歩者の夢想（ルソー著）

　ルソーは誰でも知っている。
　読んだことは無いかもしれないけれど･･･
　自分も歩くのが趣味なので、書名に惹かれて読んだ。
　確かに、歩くのは孤独だったりする。
　しかし、優れたものを残した人の晩年がこんなに寂しいとは･･･
　ここには、老いによる寂しさもあるが、自分の信念に従った事により、時勢から浮かびあがってしまった、ルソーという人間の苦悶が伺える。
　これだけの苦悶に陥るには、それだけの「才能」が必要だと思う。
　残念ながら、そのような才能は自分には無いであろう、しかし、自分について、厳しく見つめたい時に読みたい本だと思う。
　ただ、余りに厳しい自己洞察に息が詰まるかもしれない。