110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

ゴール前で後ろへ「来い!」の合図 難民だった2人、表彰台で並んだ

ゴール前で後ろへ「来い!」の合図 難民だった2人、表彰台で並んだ
8/8(日) 15:10配信 朝日新聞デジタル
■マラソン男子
 ゴールが見える最後の直線に、2位を争う3人が接戦でなだれ込んでくる。チェロノ(ケニア)、ナゲーエ(オランダ)、アブディ(ベルギー)の順。ナゲーエがスパートで2番手に浮上、そのまま前だけ見てゴールに突進するのかと思うと、違った。必死で走りながらも後ろを振り向き、右手でアブディに「来い! 来い!」というしぐさを見せる。吸い込まれるようにアブディは3位に上がり、チェロノを抜いた2人がそれぞれ銀メダル、銅メダルに輝いた。
 なぜ、レースの最終盤でそんな不思議なしぐさを見せたのか。レース後の記者会見でその答えが見つかった。2人はともにソマリア難民だからだ。ナゲーエは「2人は互いの家族も友人もよく知っている。今でも夢みたいだ。隣にいられることがうれしい」とレース後の記者会見で話した。
 32歳のナゲーエは1996年に初めてオランダに渡った。いったんソマリアに戻った時期を経て、いまはソマリアのスポーツ施設を充実させる基金を立ち上げるなどの活動もしている。「(今回の結果で)ソマリアの若者に刺激を与えられた」
 同じ32歳のアブディは8歳のときにソマリアを出て、ジブチエチオピアを経てベルギーに移住した。2人は五輪前にフランスで合宿していたといい、「すばらしいトレーニングができて、コーチに感謝している。日本の夏は厳しかったが、滞在は楽しむことができた」と笑顔だった。(酒瀬川亮介) 

 備忘録、人それぞれ背負っているものがある。