110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

二つの大聖堂のある町(高橋哲雄著)

 本書は1985年筑摩書房刊行のもの、私は1992年初版のちくま学術文庫版で読む。

 本書は、丁度出版当時のイギリスの社会や文化に関するエッセイであり、既に25年以上経っているものだ。
 そういう面では、現在のイギリスとはまたかけ離れたところがあるかも知れない。
 
 しかしながら、第二次世界大戦後に急速にその力を失っていった「イギリス」と言う国を、良く研究することが必要なのではないかと思った。
 それは、一人当たりの所得やGDPというものが、他国に追い抜かれていくその状況、そのときの国民の意識の低下・対応など、将来の日本に対する、ケースワークの一つではないかと思えるのだ。

 どのようなシステム(文化・社会)にも栄枯盛衰はあるものだ、運が良くその華やかな時期に一生を終える人も居れば、困難な時期に苦労する人もいる。
 そして、与えられた局面で、どう過ごしていくのかは、実に大きな問題だと思う。

 そんな事を考えてしまった。