110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

カントはこう考えた(石川文康著)

 本書は筑摩書房1998年刊行のもの。
 カントの解説かと思いきや、カントの提唱したアンチノミー(二律背反)を考察する、判りやすい解説書。
 大学の一般教養や、高校の授業(哲学なんてなさそうだが)でも使えそうな手軽さなのだ。

 また、このひとつ前に上げた「こころの哲学」という本も関連がある。

 さて、問題のアンチノミーとは・・・・
 テーゼ「自由がある。自由による因果性がある」
 アンチテーゼ「自然の因果性しかない」
 というものであり。

 もし、自由というものが無ければ社会の法の根拠が(極限では)崩れるということになる。
 いわく「私が、その人を殺したのも、人類の歴史創生以来の宿命である・・・」
 なんか、ファンタジーのせりふだね、これは。

 そういう多少難しいところをどう考えようかな・・・・というための本。 
 まぁ、そういう事は考えないことにしよう・・・という方には不向き。


 私的には、不確定性定理に収斂してしまうのかなという感じがする。
 しかし、回り道でも一度考えたのと考えないのでは違うはず。
 感じ方はそれぞれだろうが・・・・