人間のしるし(C.モルガン著)
本書は岩波書店刊行のもの私は1964年改版後の1980年通算第35刷を読む。
昔のBookOffではこの本に良くお目にかかった、当時の私はフランクルの「夜と霧」と比べて「重みに欠ける」などという偏見からなかなか手を出さなかった。
でも、裏のタグを見ると105円なので何かの折に買っておいたのだろうね(安いし)、でも、そういう見方だったから長い事読まずにおいたのだよね、それが何故かふと昨日から読み始めたのだよね、何だろうねこの心境の変化は?
これだけ版を重ねているわけだから名著なのだろう、先を読みたくなる本ではある、フランスは第二次世界大戦時に矛盾を抱えてしまった、そう、ドイツ=ファシズムに加担した国民とそれに抵抗した国民だ、本書は、ファシズムに屈するな、国、国民のために立ち上がれ、それが彼の最愛の人(妻や子供)を危機に陥れても、イデオロギーのために戦うんだ・・・という話だ(注:イデオロギーって必ずしも悪ではないよね)。
どうかな、読めるかな、私は既に何か自我みたいなのがぐたぐたなので特に読むことについては問題はないのだが、こういうリアルに対して今の人はどう感じるのだろう。
少し前に話題にした「天気の子」では丁度反対のスタンスだったよね?
それは、人間の進歩なのだろうかね?
ちなみに、日本もあの戦争で傷を受けたよね、戦争に協力的だった者(翼賛的)とそうでない者、また中立的な者とに、言葉では言えない(言えるけれども言わなかったが正しいかもしれない)溝が生まれたはずなんだよね。
安部公房が「榎本武揚」という小説でそんなところを解き明かしていたけれども、まぁ、様々なごたごたやら予期せぬ経済成長やらで、今のところそれらは封印されている状況だよね。
私は戦後の生まれなんだけれども、そういう変なことを考えているので昨日の「即位の礼」にあまり喜べないんだよね、おかしな人だよね。