110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

東京都内で一番危険に見えて、一番的確な対応をしている新宿区

私は東京都新宿区の住人だ、最近の「夜の街」宣言からして、今一番危険な地域に居合わせてしまった…と、感じていた。

それが、今日TBSの昼の番組に、新宿区吉住区長が出演して、現在の取り組みを説明していたことで、少し見方を変えた。

以前から、東京都の(小池知事の)あいまいな発言の中で、新宿だけ、何故か夜の街関係者の検査数が多い事、そして、その中での陽性者数が、感染者数を押し上げていたこと、だけは説明していた。

しかし、素朴な疑問に「何故、新宿・歌舞伎町なの? 他にもあるよね?」があるのだが、その回答は得られなかった。

そして、そのうちに、予想通り「夜の街」は、豊島区・池袋に飛び火したわけだ。

これも変な話、池袋の状況を見逃せなくなったから、渋々と対応し始めた…と、とも考えられるのだ、他にも怪しい地域は、まだまだたくさんあるからね、みんなは、不思議ではないのかな?

そんなところでの、この新宿区長の話であった。

要は、検査を受けることへの抵抗がある状況を、「信頼関係」を作りながら、どうやって改善するかということだった。

まぁ、これだけでも、頭が下がるような、地道で面倒な取り組みを、水面下でしていたわけだ。

そのためには、店の名前を出さない、休業要請をしない、など、当時の世論で「店の名前を出せ」とは、一見、正反対の対応をし、それを区(行政)が守ることで、協力関係を築いた結果があの感染者すうだったわけだ。

それが功を奏して、そういう業界からも、進んで検査を受けるようになり、現在の実態が明らかになってきているようだ。

夜の街での店舗での接客による感染者が多い様に思われたのだが、実は、従業員が共同生活をしていて、その中で、いわゆる施設クラスタのような形で、多数の感染者が現れている、ということがわかったきたのだ。

これは、人によっては嫌がることなのかもしれないのだが、夜の街に勤めている人の、普段の「生活の中」で感染が広まったということだ。

当たり前のことだが、ウイルスがあれば手段を間違えば感染する、というしごく当たり前のことで、たまたま、接客業として多数の人と接触する業態で感染した者が、クラスタを発生させたということになる。

端的に言えば、ウイルスが入ってきたら、どこでも感染するし、クラスタになりやすい環境下ではそれが発生するという事だ、確率的には「夜の街」が高くなるだろうが、必ずしも特別な事ではなく、全ての、地域で起こりえるとも言える。

しかし、それならば、「(韓国系の人が多い)近隣の大久保とかの状況はどうか」という微妙な質問がTVでされたのだが、区長は「そこでは起きていない」と答えていた。

事件は現場にある、なんていうドラマのセリフがあったが、やはり、今回のコロナ対策も同様に現場にいかに接近するかが、重要なのだろう。

たしかに、新宿区は、他地域よりも財政余力はあったと思うし、何より歌舞伎町という日本一の地域があり、非常に微妙な立ち位置にはあったと思う。

しかし、その中で、現場と連絡を緊密に取ること、そして、彼らの不安を取り除いていくことが、いかに重要なのかということが、短い放送の中でも良くわかった。

これは、いたずらに不安だけを煽っていた都政とは正反対なことだ。

だから、不安をもって見ているのが、豊島区での対応だ。

世論もあるし、新宿区の取り組みもあり、豊島区は小池氏のお膝元でもあるしで(これは推測)、今回のことを打ち上げたのだろうが、新宿区のように現場との了解(コンセンサス)は取れているのだろうか?

こちら(豊島区)は、検査で陽性だと、休業要請をする代わりに、区(実質は都が負担)が補償するというシステムだが、新宿区の事例でいう、休業要請はしない、プライバシーは守る、そして、必ずしも店舗で発生したわけではない、という話を聞くと、また、小池さんの肝いりで、形だけ整えたのではないかと疑ってしまう(これも推測)。

そんなわけで、私は、新宿の歌舞伎町にも、池袋にも近いところに住んでいるのだが(どちらかというと距離は池袋に近い)、この2つの区について比較して言えば、新宿区に住んでいて良かったと思う。

まぁ、今までは何も具体的な取り組みは「東京アラート」ぐらいしかなかったので、今回の対応は「相当な躍進」に見えないことはない。

彼女に投票した人も喜んでいる事だろう。

しかし、(現在の感染の)実態は意外にも、そういうところから離れたところにあるのかもしれないと…少し思った。