110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

宇宙より遠い場所

「宇宙より遠い場所」というアニメをGyaoでやっていて、評価が高かったので見て見た。

花田十輝の脚本も個人的には好きな部類だったし、全体としては結構感動的な作品だと思う。

ただし、アニメにするうえで隠した部分が気になった。

この物語は女子高生が南極へ行くという構想なのだが、南極へ行くには相当過酷な体験をしないと無理だろうし、下手すると、仲間のうちで、何人かは亡くなったり病気になったりする可能性も高いと思うのだ。

このアニメの中で、南極へ向かう砕氷船の夜のデッキへ4人組が出てきて、高波をかぶるという画があるのだが、あの波の大きさなら、下手すると4人とも海にさらわれてもおかしくない状況だった、まぁ、演出なので仕方がないのだが、そこで少し本作の興味は薄れた。

また、本作は、この女子高生4人組の人間関係についても扱うのだが、それぞれが抱えていた人間関係の悩みを、宇宙より遠いと称するこの場所(南極)で解消していくのだが、これが、皮肉にも、「宇宙より遠い場所へ行かないと人間関係の問題は解消されない」という、逆説のメッセージと受け止めてしまった。

確かに、日々暮らすのはつらい事も多いのだが、最後の手段は、彼岸(南極)に行かないと行けないということなのかも知れない。

これは、最近の人々の傾向なのだと書こうとしたけれども、よく考えれば、私たちも中高齢者も、同じような事を手段を変えてやってきたのに、ふと気づいた。