110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

政治的に法律を適宜解釈すること

政治の世界、国会の答弁ではよくあることだが、これほどあからさまに、学識者とは言え一般の人に対して適用したことは、問題だと思う。

平野啓一郎氏、菅首相の「学術会議リスト未見」説明に苦言「支離滅裂。無責任だろう」10/10(土) 7:18配信
 芥川賞作家の平野啓一郎氏が9日夜、ツイッターに新規投稿。日本学術会議の会員候補6人を任命しなかった問題で、菅義偉首相が報道各社とのインタビューで会議側が作成した105人の推薦リストを「見ていない」と述べたことを受け、「支離滅裂。無責任だろう。嘘つきも困るが、嘘さえつけないとは」と苦言を呈した。
 平野氏は「支離滅裂。『総合的、俯瞰的活動を確保する観点から判断をした』と言ってたはず。見ないでどうやって判断するのか?無責任だろう」と指摘。「結局、また誰かに責任を押しつけようとしている。嘘つきも困るが、嘘さえつけないとは」と問題視した。
 菅首相によると、会員任命を決裁した9月28日の直前に会員候補リストを見たが、その時点で最終的に会員となった99人がそのまま記されており、6人を拒否する立場になかったという。これまでは「首相の任命拒否権」が問われてきたが、菅首相の説明に従えば「首相以外の第三者」が任命拒否したことになるため、今後はその経緯や理由と共に「誰が判断したのか」が焦点となりそうだ。 

法律上、総理には「任命拒否権」があるのだが、もし、リストすら見ないで決裁したのなら、何故6名が外されたのか説明できない事は妥当な対応だが、早速、決裁の見直しをするべきだし(法律上、総理が任命とある)、それをしないのならば、総理以外の誰かが、法律の条文に反して決定したことについての糾弾を総理自らしなければ、自身も使うことがあるだろう「法治国家」や「法に基づいて・・・」という言葉・概念が「嘘」になってしまう。

本記事には、それでも、菅総理は間違っていないというコメントが多数見受けられるが、与党関係者や利益を受けている者ならば、こういう理性も論理もないコメントは政治的に、致し方ないのかもしれないが、却って、任命されなかったことにより、公務員ですらない一般の国民6名についての処遇がとても酷いことに対してどう言い訳するのだろうか?

確かに、彼らはスパイだ、テロ(犯罪)を企てているところまで立証できれば、正しいということにはなろう、しかし、それが、妄言でしかないならば、あの戦前・戦中の悪しき状況と同じになる。

奇しくも、学術会議はそういう戦前の教訓から「独立」という立場を与えられたことを考えると、本件、何か象徴的な事象とも言える。