110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

日本の科学技術とは

【独自】中国の「千人計画」念頭、外国の研究資金に申告義務…すでに審査開始
1/25(月) 5:02配信 読売新聞オンライン
 海外から研究者を集める中国の人材招致プロジェクト「千人計画」を念頭に、文部科学省は2021年度から、「科学研究費助成事業(科研費)」について、申請者が外国の研究資金を受けている場合は申告するよう義務づけた。研究の透明性を高めるとともに、研究者の海外活動の把握を進めるのが狙いだ。21年度分の主な応募は締め切られ、既に審査が始まっている。
 技術流出の懸念などを受け、政府は今年中に指針を設け、公的助成を受ける研究者に対し、外国資金の受け入れや海外での活動などについて原則開示を求める方針を固めている。国内最大の研究費である科研費について、文科省が一足早く対策を取り入れた形だ。
 科研費は、日本の学術研究を幅広く支える補助金で、国内の大学や研究機関に所属する研究者(学生を除く)が対象。20年度は応募10万4158件のうち、27・4%の2万8569件を採択し、継続分を含め約2200億円を配分した。
 文科省によると、科研費ではこれまで、特定の研究者に資金が集中するのを避けるため、国内の他の公的助成についても受給状況を申請時に申告させていたが、外国資金については把握する仕組みがなかった。
 だが、軍事転用などの可能性もある高度な技術については、流出を懸念する各国が管理の強化に取り組んでいる。政府が昨年7月に閣議決定した「統合イノベーション戦略2020」でも、情報流出を防ぐため、研究の透明性を高める必要性が指摘された。 

昨年の学術会議問題に絡んでいると思うのだが、文部科学省が外国資金による研究に対する取り組みを始めた・・・という記事なのだが、このコメントの中に、日本の科学技術力を向上させて、未来に備えねばならない、みたいな意見が見受けられた。

20世紀のある時点までは、模倣技術などと多少揶揄されながらも、一流の水準を保っていたのだが、21世紀にはその影も薄くなってきた、ただし、当時よりも今のほうが素質や実質的に優れた日本の科学者が存在していることは間違いないだろう、ただそれが、有意に日本という国を象徴していないということだ。

そして、そういう日本の産業面、技術面での(念の為、世界的に見ての相対的)低下を補うために行われた施策の一つが海外からの旅行者を増やすという、インバウンドだ。

残念ながら、現在の日本は優秀な科学技術者を多数輩出できる状況ではないと思う、コメントにもあるように、30年前に終わっているとも言える(国産のある飛行機飛べないしね)。

あまり、資金がない現日本政府がひとつできることは、優秀な知能を持つものを早く見つけて、彼(彼女)に国が集中的に投資するシステムだが、コロナ禍の渦中、やれ補助金が少ないとか平等性がどうとかでゴタゴタしているような、平等化を世論が求めているようでは難しかろう。

 

私の身近なところの話になるのだが、現在、中国製の工業製品が国内で安く入手できるし、ものによっては中国製しか手に入らなくなっているようにも思う。

かつては、低価格で多少性能に問題があっても出回っていたところもあったのだが、現在は、価格も安いが製品品質も値段と比べて驚くほど高い製品がぼちぼちと出回ってきた。

こういう製品は、もう日本では作れない、中国がその製造技術を更に向上させれば(需要がある限りは向上するだろう)、中国自体が衰退しない限り、そのジャンルでは日本は追いつけない。

それでは、高級品はどうか?

一時期は、日本製品が高級品だった時代もあったようだが、現在は、品質が確かな中級品の位置づけになっているようだ、これもすなわち、高級品が中級グレードに侵出するか、安価な商品の品質が向上してくると、危なくなるところだ。

だから、(くどいけれども)インバウンドだったんだろうね、役人がその優秀な頭を絞ってひねりだした一つの回答だろう(全然悪くない考え方だ)、そして、そのゴールが、東京オリンピックだったわけだろう、相当、予定変更になったけれどもね。