110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

非常事態宣言でも効かなければ罰則を強化すれば良い・・・のか?

つい先ごろ、後藤田正晴氏の「情と理」という本を読んだ、気になるところをチェックしていたのだが、現在のコロナ禍での国民対応に関して、関係がありそうなところがあった、それは、

・・・「罰則運用というのはどれくらい難しいものか、注意しなければならないものか、あなた方はご存じない、罰則さえ強化すれば事件は減ると思っているのは、基本的に間違いだ」と。これは警察の考え方なんです。今でもそういう考え方だと思いますよ。ところが自民党というか、要するに素人は、罰則をむやみに強化したがるんだ。そのうちおのれが引っかかるんだけれどね。

・・・罰則の強化をやってもだめだ。・・・ああいうのは世の中をこうしたいという確信犯が中心なんだから、確信犯にいくら罰則を強化しても、かえって確信がつよくなるだけで逆効果になる。・・・ 

この発言は大学紛争時のものであり、今とは国民や世論は異なるので、一概に適用はできないだろうが、逆に、適用できないならば、罰則で国民を縛る国家へと変容せざるを得なくなる・・・とも言えよう、それは、とても住心地が悪い社会だと、私は思うのだが? 

一面、自由という言葉をこの時期掲げている人も多く見受けられるのだが、悲しいことに、自由を高唱することで、罰則が強化されるという時期(とき)もあるという、そのジレンマにも気づくべきだろう。