110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

毎日のコロナ新規感染者数の見方について

 きょう東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は1271人だった。先週金曜日の822人から449人増え、3日連続で1000人を超えた。
 感染が確認されたのは10歳未満から100歳以上の1271人。直近7日間の1日あたりの平均は946.3人で、前週(686.7人)と比べて137.8%となった。年代別では20代が最も多く431人、次いで30代の265人。40代以下で全体の83.3%を占めている。重症化リスクが高い65歳以上の高齢者は42人だった。重症の患者は前日から4人減って53人となった。
 また、1人の死亡が確認された。
(ANNニュースより) 

2021/7/16

最近は、新規感染者だけでなく、昨日との比較も含めた重傷者数や死者数も掲載されている。

そして、年代別の感染者数も報告したいるのだが、最近、上記引用したような、全体に対する比率を掲載するものが増えてきた。

新規感染者数だけでは報道インパクトがなくなってきたのだろうが、良い傾向だ。

忙しいとこれを見るだけだが、少し余裕があれば、きちんとした比率を出してリスクの評価をしてみるのが良いと思う、基本的なことを押さえれば良いので以下やってみよう。

・高齢者の新規感染者数における比率を出してみよう。

42÷1271=0.033044847(3.3%)

・20代の新規感染者数における比率を出してみよう。

431÷1271=0.339103068(33%)

単純に数字(感染者数)だけを比較すると、20代は高齢者の10倍ぐらい新規感染者が出ている。

10倍だから、この段階で、20代の感染拡大については警鐘が鳴らされているのだが、果たして、これで良いのだろうか?

実際には、各年齢層ごとの人口比率がある、東京都では、高齢者に関してはデータがあるのだが、20代のデータはないので近似する。

東京都の高齢者の人口比率は22.57%

東京都の15歳〜64歳までの人口比率は65.85%、だが、これを、かなり大雑把だが①20台②30代③40代④50代⑤15歳から20歳未満と60歳から64歳と5つに分けて、均等な比率と仮定する、現在は少子高齢化状況なので、予想するに、20代の比率は少し大きめに出るはず。

65.85÷5=13.17(%)

もし、感染者が均一に出たとすれば、高齢者は22.57%になるし、20代は13.17%になるはず、そうでないとすると、実際の数字を人口構成比率で割ったものを比較してみれば良いと思う。

高齢者:3.3÷22.57=0.146211786

20代:33÷13.17=2.505694761

この計算では、人口比率で均等に感染するのを基準に、どの程度感染者数が多いのか低いのかその倍率を計算している、高齢者は、14%程度で感染対策が良くできていると判断できるし、20代は2.5倍も感染者が出ていて、感染対策がなされていないことを示す。

そして、この数字の比率、2.5÷0.14=17.857142857が、現実に近いと思われる、高齢者と20代の感染リスクだと言えるのではないだろうか?

 

18倍も20代は高齢者に対して感染リスクが高い?

 

少し前に、東京都の職員が若い世代にアンケートをとったことを、世論は笑いものにしたが、現実的にこういう数字になってくると、笑う前に本当は考えることがたくさんあったのではないかと思えてしまう。

もし、このように、若い世代が、このようなハイリスクな状況を続けていたとするならば、政府を批判するよりも、この世代を批判しないといけないという結果も導き出されることになる。

少子高齢化の世の中で、現役世代、将来を担う若い世代だからとして、優遇して見ているところもあるし、その理屈もわからないではない、しかし、現実的な数字データがある以上、逆に、こういう若い世代からの自主的な取り組みがある方が理性的だと思うのだ。

やり玉(スケープゴート)にしやすいので、現政権や官僚に対して責任をなすりつけるのも、いわゆる大衆主義のある種の暴走としてありえないことではないのだが、それにしても、寂しい状況だと思う。