110円の知性

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専門家の明らかな間違い

北村義浩氏 コロナ「ピークアウト」断言、要因は「ワクチンだけではない」
9/7(火) 12:27配信デイリースポーツ
 テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」が7日、新型コロナウイルス新規感染者数が減少傾向にあることを報じ、日本医科大学特任教授・北村義浩氏も「これはピークアウトしたといっていいと思う」と断言したが、その要因については「ワクチンだけでこれだけ急速に下がっているとは考えにくい」と分析した。
 番組では、6日の全国の新規感染者数が8233人とは8月2日以来、およそ1カ月ぶりに1万人を下回り、東京の新規感染者数も968人で7月19日以来、およそ1カ月半ぶりに1000人を下回ったと報じた。
 北村氏は「ずいぶん減少傾向が続いていますので、これはピークアウトしたといっていいと思う。昨日に限って言うと、全国で最も人数が多かったのは愛知県。愛知県だけが1000人を超えていて。首都圏、あるいは関西圏の減少傾向は顕著だが、一部の地域にはまだ減少傾向ではあるものの鈍いという場所もある。ですから全国一律に下がっているわけではない」と現状を語った。
 ワクチンの効果で感染者数が下がってきたのかと聞かれることが多いというが、ワクチンだけではないと説明。「東京の感染者の内訳を見ると、20代、30代、40代、50代といった、まだワクチンがそれほど進んでいないところも減少傾向が非常に顕著。下がりが悪いのは65歳以上の高齢者、それから10歳未満のかなり若い世代、この2つの両極端の世代がなかなか減らず、増えている傾向がある。だからワクチンの効果ももちろんないわけではないが、それだけでこれだけ急速に下がっているとは考えにくい」と解説した。

 

たぶん、大多数の人が何も気づかずに上の記事を読んでしまうだろう。

しかし、大きな間違いがある。

それは、ここだ、「下がりが悪いのは65歳以上の高齢者」そう、確かに、ここ何日かの傾向では下がりが悪く「見える」のだが、構成比率を出してみると、高齢者はだいたい5%程度だ。

しかし、再三、書いているように、東京都の人口構成では、高齢者は22%以上を占めている。

ワクチン接種前でも、実際にはこの比率がだいたい10%前後だったのが、ワクチンを2回接種した人が大半を占めるようになってから5%程度で「落ち着いている」のだ。

北村さんは、高齢者の新規感染者の割合が「奇跡的に低い」こと(都民に一様に感染したならば、高齢者は20%程度の比率で新規感染者数を出してもおかしくない、というか普通だということ)を指摘した上で、「最近は低いながらも少し増えているようですが・・・」とするのが、妥当ではなかろうか?

そうすると、こういう結論も出てくる、「高齢者を中心に自粛状況の人が東京都には潜在している」これを見逃してはいけない。

そして、ワクチンを接種しなくとも、感染対策をきちんととることで、新規感染者数は落とすことができる、ことは、それまでの高齢者の実績から検証できる。

だから、それをしなかった、人々が間違った対応をした上に、感染力の強いウィルスが入ってきたことが今回の要因だと、これは、私が思っている。

そして、これは、行政側の不備よりも、世論のミスリードにのってしまった、国民や都民の失策(過失かな)だと思っている。

追記:「20代、30代、40代、50代といった、まだワクチンがそれほど進んでいないところも減少傾向が非常に顕著」

 キャスターの羽鳥慎一が「何が考えられるんですか?人出も減ってないみたいに…」と聞くと、北村氏は「対策をされている、あるいは人流がお盆以降増えているが対策をして出ている、あるいは出てるように見える人たちもワクチン済みの方たちがおそるおそる出てると考えていいんじゃないかと思う」と、人々の行動によるものも大きいとした。

これは、説明がつきそうだ、行動変容についての指摘があるが、その心理面を探れば良い。

デルタ株より以前は、若者はほとんど重症化しないし死者もでない、さらには、子供にもほぼうつらないという形であった。

だから、高齢者は恐懼し、我が家でもそうだが、高齢者の介護しているので、基本的に非常事態宣言とは関係なく自粛している、家の、庭の手入れをしてくれている植木屋さんも、庭のあるような家=比較的高齢者が多い、は昨年から自粛していると言っていた。

以前の若者は大丈夫だという形に反する形で蔓延したのがデルタ株だが、確かに、現在でも、感染力は強いが、やはり若者の重症化や死亡リスクは相対的に低いはずなので、それと、オリンピックの騒ぎが重なって、各人の感染対策が遅れて感染爆発したと見ても間違いはないと思う。

しかし、予想外の事態が起きてしまった、それは、予想外の規模で感染爆発したことによる、医療崩壊だ。

若くても、間違って中等症ぐらいになって、入院もできないと、突然死亡してしまうリスクが迫ってきた。

また、中高年は、ワクチン効果もあるが、自ら重症化して死亡するケースが激増した。

さらに、自分たちが最低限だと思っていた、若年層は、さらに下の子どもたちが感染して、本当に少ないながらも重症化するケースを目の当たりにした。

30代だと、子育て世代でもあるよね、まぁ、高齢者が感染しようが関係ないかもしれないけれども、自分の子供が感染するのは嫌だよね。

高齢者はきちんと数字を取っていないけれども、ワクチン効果ももちろんあろうが、もとより自粛しているのでこの時期も大きく崩れなかったというのが実情ではないだろうか?

世代間でのリスク格差はコロナ禍で存在していた、それは、高齢者層に不利だった、だから、感染対策に対して消極的、経済対策を優先という世論もあったのだが、それが、今回は身近に迫ってきた。

それでも、関係ないと思う人はまだまだたくさんいると思うのだが、危険を回避しようと考えた人も結構でたのではなかろうか?

私の持論、高齢者は自粛しているの実態は、新規感染者数の全体比率から推測したものだが、もし、自粛している人がいたら、その人は、社会的には目立たないはずだ。

そう、表向き目につくような、繁華街には決して行かないから、TVなどの画像には写ってこないものなのだ。

ワクチン効果も、もちろんあるだろうが、自粛の効果は斯様に、目につきにくいものだと思う。

それが(危険が迫ってきたので自粛する人々の動きが)、このところ機能しだしたのではないか、それに加えて、(東京都の)高齢者は、もとより自粛しているのがプラスに作用したという仮定はどうだろうか?