110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

現代心理学(ジャン・ピアジュ著)

 本作は、ユネスコの『社会学と人間科学の研究の主要動向(1970)』の第三章として出版されたものを翻訳したもの、福村出版1981年刊行のもの。

 ピアジュの目から見た心理学についての見解だが、私は、心理学と精神病理学の区別をつけていないことに気づいた。
 フロイトユングは、心理学なのか精神病理学者なのか?
 そして、この著作で言う心理学とは何なのか?
 生物学、数学、物理学んどとの関係はどうなのか・・・そもそも、関係はあるのか?

 そういう事に答えてくれるのが本書であると思う。
 そして、心理学の応用についてもコメントされている。

 本書の解説でピアジュは「発生的構造主義」とされている、時代的(1970年)に「構造主義」と主張したのだろうが、本書でも、共時的要素だけではなく、通時的要素も含まれている(発達心理学を含んでいるので当然と言えるだろうが)、そのような処に先見的な印象を受けた。

 「1970年でこの領域ならば、現在の心理学とは、どのようなものだろうか?」

 まだまだ、基礎的な著作を読み続けることになるだろうが、いつか、現代の心理学について、垣間見れるのならば嬉しい。
 そんな事を考えた。