110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

構造と解釈(渡邊二郎著)

 本書は1988年放送大学養育振興会から刊行されたもの、私は、ちくま学芸文庫版で読む。

 本書の題名の、構造は「構造主義」、解釈は「解釈学」を指す。
 この二つの主題を取り上げて、解説してくれるもの。
 行過ぎた自然科学主義への警鐘が、ちらりと読み取れる。

 さて、本書の特筆は、解釈学として取り上げられた、ハイデッガーの解説が物凄くわかりやすいことだ。
 今まで、何冊かの入門書を読んだが、本書が一番良かった。
 本来、この題名から、ハイデッガーの入門書のイメージはわかないだろうから、埋もれた著作と言う感じがする。
 
 また、全体についても、大学用テキストのために書かれたものとして、読みやすい。
 
 そういう面で、ストレス少なく、楽しい読書ができたのだ。
 もっと早く気づいていれば・・・でも、著者名だけを見ると、構えてしまうのだ。