110円の知性

110円(税込)の古本を読んで得た知性とはこんなもの(消費税変更に合わせて改題)。

経済学は役に立つか(飯田経夫著)

 本書は1979年東洋経済新報社刊行されたものに増補して、ちくま文庫版として1989年に刊行されたものを読む。

 30年前の論評が現在も読めるのかどうか?・・・そんな事は、棚に上げて読む。
 そもそも、タイトルが良いではないか?
 経済学者が経済学に疑問を持つのだ、そして、その状況は、大なり小なり現在も続いているのではないかと思う。

 そして、その30年前の問題点が、現在どうなっているのか、それはまたとんでもない状況が現出しているはずだ。
 当時にタイムスリップして「21世紀初頭には、政府の借金は800兆円になる」と吹聴したら、どうなるだろう・・・そんな事を想像してしまうのだ(精神病院へ送られる可能性は「そこそこ」なのではないかな)。

 さて、そんな中に、とても面白い文章を見つけた、これは刊行当時の著者の直感だとは思うが。
 すでに述べたとおり、少なくともこれまでのところ、近代化・産業化は、プロテスタンティズム文化圏と日本とのみに限られた現象であった。ところが、追い上げを開始した4国が、すべて儒教文化圏に属すること、もちろん日本もまたそうであることは、はなはだ興味深い。このことと関連して、とくに穏健かつ合理主義的な「四つの近代化」路線に転換した直後であるだけに、儒教文化圏の本家本元である中国の今後は、真剣な注目に値するだろう。いままでのところでは、中国は、いくつかの状況証拠から判断して、東アジアおよび東南アジアでもっとも貧しい国のひとつにすぎないように思われるけれども・・・。
 (ちなみにここでの4国は、韓国・台湾・香港・シンガポール

 30年という年月は状況を大きく変える、本書ではインドも発展途上国として位置づけているが、中国・インドとも今世紀の注目の的となっている。
 
 さて、以前、会社の寿命30年という本がでていた、そして、日本のピークは1980年代と言われている。
 それから、30年程が経過している、そろそろ、大変身を遂げないと、危ないのではないかな?
 などと書くの自由だが、30年後にこのブログは見たくないな・・・当たるにしても外れるにしても。